国指定伝統的工芸品・彦根仏壇が作るハイセンスな祈りの形である「自由壇」。「柒+(ナナプラス)」は、様々な技能を持つ職人=七職を表す漢数字「七」の旧字体に、次のステップに一歩踏み出すという意味の「+(プラス)」を加えたもので、伝統技術が生み出す新しいスタイルの祈りを提供するグループです。宗教や宗派にとらわれない、自由な祈りのスタイルを目指して「自由壇(フリーダン)」というブランドが付けられています。
新しい祈りの形を世の中に問うにあたり苦労したのが、誰をターゲットとし、どのような販路で売るのか、ということです。工芸品として説得力のある売り方は産地による直販ですが、都内のデパート等での実演販売だけでは、非常に限られたお客様にしかアプローチできない悩みを抱えていました。
そこで、柒+では全国の特約店と契約を行い、販路開拓を進めることを決断。展示会等を通じて興味を持って頂いた全国の仏壇店を中心として、什器の設定から納品、販路開拓のご相談に対応しています。新型コロナウイルス感染症拡大以降はwebミーティングが一般的になったことを機会と捉え、特約店との間で積極的にZoomを使用して、お客様にご満足いただけるために何ができるか、という観点から、情報交換を行っています。
多くの場合、10年後の成長に向けた新規事業を安心して進めるためには、現在進行中の事業(柒+の場合は自由壇)の収益性も高める必要があります。高級品が売れない原因の多くは、使い手と売り手をつなぐ役割を果たす「繋ぎ手」が提供する情報不足にあります。自信を持って特約店の店頭で販売をいただくため、継続したサポートを中小企業診断士の立場から行っています。
このプロジェクトは彦根仏壇事業協同組合 柒+(nanaplus)との共同開発事業です。